射水市

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射水市（いみずし）は、富山県のほぼ中央、射水平野の西部から富山湾に面する地域に位置し、面積約109.44平方キロメートルの市です。2005年11月1日に、旧新湊市、小杉町、大門町、下村、大島町の1市3町1村が合併して誕生しました。市の名称は、この地域が古代「射水郡」と称され、万葉集にもその名が見られるなど、古い歴史と文化を持つことに由来します。射水市の大きな特徴は、日本海側有数の国際拠点港湾である富山新港を擁し、港湾関連産業や工業が集積していることです。港の一角にある海王丸パークには、「海の貴婦人」と称される帆船海王丸が恒久係留されており、その美しい姿は市のシンボルとなっています。海王丸パーク周辺は、新湊大橋や新湊きっときと市場などと共に、多くの観光客や市民で賑わうウォーターフロントエリアを形成しています。また、旧新湊地区で毎年10月1日に開催される「新湊曳山まつり」は、豪華絢爛な13本の花輪山車（花山）が日中は、夜には提灯山車となって勇壮に街を練り歩く、江戸時代から続く伝統的な祭りで、多くの見物客を魅了します。歴史的には、奈良時代に越中国守として赴任した大伴家持が多くの歌を残した万葉ゆかりの地であり、放生津（ほうじょうづ）の地名は古くから知られています。江戸時代には加賀藩の領地として、放生津は港町として、また小杉は北陸街道の宿場町として栄えました。産業面では、富山新港を中心とした物流や、アルミニウム、造船、機械などの工業が盛んです。また、富山湾の豊かな海の幸に恵まれ、シロエビやベニズワイガニ、ブリなどの漁業も行われています。射水平野では、米作を中心とした農業も営まれ、梨などの果樹栽培も見られます。文化・レジャー施設としては、前述の海王丸パークや新湊きっときと市場のほか、絵本の世界に浸れる大島絵本館、地域の歴史や文化を紹介する施設、そして庄川の河川敷を利用した公園などがあります。櫛田神社や放生津八幡宮などの古社も点在します。近年は、クロスベイ新湊のような新たな賑わい拠点も整備されています。このように、万葉の歴史と港町の伝統、そして近代的な港湾機能と豊かな自然が調和した射水市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には86,077人になると予測されています。