砺波市

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砺波市（となみし）は、富山県の西部に広がる砺波平野のほぼ中央に位置し、市の中央を庄川の清流が南北に貫流する、面積約127.03平方キロメートルの田園都市です。砺波市の名を全国的、そして国際的にも有名にしているのは、日本一の球根生産量を誇るチューリップで、毎年ゴールデンウィークを中心に開催される「となみチューリップフェア」では、数百万本のチューリップが色鮮やかに咲き誇り、国内外から多くの観光客を魅了します。また、砺波市を含む砺波平野一帯には、カイニョと呼ばれる屋敷林に囲まれた家々が美しく点在する「散居村（さんきょそん）」の独特な農村景観が広がり、その牧歌的な風景は日本の農村の原風景の一つとして高く評価されています。古くは越中と加賀を結ぶ交通の要衝であり、江戸時代には加賀藩の領地として、豊かな農業地帯として発展しました。明治時代後期に水野豊造翁によってチューリップの球根栽培が導入され、以来、試行錯誤を重ねながら一大産地へと成長しました。1952年に旧砺波町が市制を施行し砺波市となり、2004年11月1日には隣接する庄川町と合併して現在の砺波市が誕生しました。この合併により、庄川峡の美しい渓谷や温泉、そして勇壮な「庄川峡おしどり伝説」なども市の魅力に加わりました。産業面では、チューリップの球根・切り花栽培をはじめとする農業が基幹産業の一つで、コシヒカリを中心とした米作や、野菜、果物の栽培も盛んです。また、アルミ製品や電子部品などの製造業も地域経済を支えています。砺波チューリップ公園は、チューリップフェアのメイン会場であり、園内には一年中チューリップを鑑賞できる「チューリップ四季彩館」や、旧中嶋家住宅（国の重要文化財）などがあります。文化・レジャー施設としては、郷土ゆかりの作家の作品を展示する砺波市美術館や、地域の民俗資料を収蔵する砺波民具展示室、庄川水記念公園、そして秋にはコスモスが咲き誇る夢の平スキー場などがあります。また、毎年5月に行われる出町子供歌舞伎曳山祭は、江戸時代から続く伝統的な祭りで、豪華な曳山の上で子どもたちが歌舞伎を演じます。頼成（らんじょう）の森では、初夏に花しょうぶ祭りも開催されます。このような色鮮やかなチューリップと美しい散居村の風景、そして豊かな自然と伝統文化が息づく砺波市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には45,371人になると予測されています。