滑川市

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滑川市（なめりかわし）は、富山県のほぼ中央、富山平野の東部に位置し、北は豊かな海の幸を育む富山湾に面する、面積約54.63平方キロメートルの市です。滑川市の名を全国的、そして国際的にも有名にしているのは、春の風物詩である「ホタルイカ」の存在です。市沖合の富山湾のホタルイカ群遊海面は国の特別天然記念物に指定されており、毎年3月から5月にかけての漁期には、漆黒の海面に青白く幻想的な光を放つホタルイカの漁を間近で見学できる「ほたるいか海上観光」が人気を集めています。また、道の駅ウェーブパークなめりかわ内にある「ほたるいかミュージアム」では、ホタルイカの生態や発光の仕組みなどを学ぶことができ、時期によっては生きたホタルイカの発光ショーも楽しめます。古くは北陸街道の宿場町「滑川宿」として栄え、人々の往来や物資の集散で賑わいました。地名の由来は、市内を流れる早月川や上市川などの川床が滑らかであったことによるともいわれています。1953年に滑川町と中加積村、西加積村、北加積村、東加積村、浜加積村が合併、翌1954年に市制を施行して滑川市が誕生しました。産業面では、このホタルイカ漁を中心とした漁業と水産加工業が重要な柱であり、新鮮なホタルイカは刺身やボイル、沖漬けなど様々な料理で味わうことができます。また、富山湾の海洋深層水を利用した産業振興にも取り組んでおり、食品加工や健康関連商品などに活用されています。農業も盛んで、コシヒカリを中心とした米作や、野菜、ナシやリンゴなどの果物栽培が行われています。市内にはあいの風とやま鉄道の滑川駅があり、富山市や県東部へのアクセス拠点となっています。文化・レジャー施設としては、前述のほたるいかミュージアムのほか、地域の歴史や民俗資料を展示する滑川市立博物館、大型遊具や芝生広場のある行田公園などがあります。毎年7月には「ふるさと龍宮まつり」が開催され、海上花火大会や、竹と和紙で作られた巨大な龍が街を練り歩く「ねぶた流し」が夏の夜を彩り、多くの見物客で賑わいます。このような富山湾の神秘ホタルイカと、宿場町の歴史、そして海洋資源を活用した新しい取り組みが息づく滑川市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には31,219人になると予測されています。