小矢部市

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小矢部市（おやべし）は、富山県の西部に位置し、石川県との県境に接する、面積約134.07平方キロメートルの市です。市の北西部には、源平合戦の中でも特に有名な「倶利伽羅峠の戦い」の舞台となった倶利伽羅峠があり、歴史ロマンを今に伝えています。また、小矢部市は、1970年代後半から公共建築物を中心にヨーロッパの古城や有名建築物を模したデザインを取り入れた「メルヘン建築」を推進したことで知られ、市役所や学校、公民館など約35のユニークな建物が点在し、「メルヘンの街」として独特の景観を形成しています。古くは北陸道の要衝であり、江戸時代には加賀藩の領地として、石動（いするぎ）地区が市場町として栄えました。1962年8月1日に石動町と砺中町が合併し、県内7番目の市として小矢部市が誕生しました。市内には、砺波平野の散居村の美しい田園風景が広がり、稲葉山など豊かな自然にも恵まれています。北陸自動車道と東海北陸自動車道が交差する小矢部砺波ジャンクションがあり、能越自動車道も接続するなど、北陸地方の交通の要衝としての役割も担っています。産業面では、この交通利便性を活かした工業団地が造成され、金属製品工業や機械器具工業、食料品工業などの工場が立地しています。また、肥沃な土地を活かした農業も盛んで、コシヒカリを中心とした米作や、野菜、果物の栽培、そして「稲葉メルヘン牛」などの畜産業も行われています。近年では、2015年に開業した大型商業施設「三井アウトレットパーク北陸小矢部」が新たな賑わいを創出し、広域からの集客に成功しています。市のシンボルタワーである高さ118mの「クロスランドタワー」を有する「クロスランドおやべ」は、ミニ鉄道やイベントホール、芝生広場などを備えた複合公園で、市民の憩いの場として、また各種イベントの会場として親しまれています。倶利伽羅県定公園内には、倶利伽羅不動寺や源平合戦の供養塔があり、歴史散策が楽しめます。また、宮島温泉や安楽寺（ハギの名所）なども訪れる価値があります。毎年8月には「おやべメルヘン祭」が開催され、パレードや花火大会で賑わいます。このような歴史とメルヘン、そして豊かな自然と新しい商業施設が調和した小矢部市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には26,074人になると予測されています。