魚津市

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魚津市（うおづし）は、富山県の北東部、富山湾に面し、東に僧ヶ岳などの山々を望む、面積約200.61平方キロメートルの市です。魚津市は、春から初夏にかけて富山湾に出現する「蜃気楼」の見える街として全国的に知られ、その幻想的な風景は多くの人々を魅了します。また、約2000年前に片貝川の氾濫によって埋没した杉の原生林が、海岸浸食によって姿を現した「魚津埋没林」は国の特別天然記念物に指定されており、魚津埋没林博物館ではその貴重な樹根や幹を間近に見学することができます。歴史的には、古くから魚津城の城下町として、また北陸街道の宿場町として栄えました。戦国時代には上杉謙信と織田信長の勢力が激しく争った「魚津城の戦い」の舞台ともなりました。江戸時代は加賀藩の領地として、漁業や商業が発展。1952年に市制を施行し魚津市が誕生しました。毎年8月の第1金・土曜日に行われる諏訪神社の夏季大祭の行事である「たてもん祭り」は、高さ約16メートルもある巨大な「たてもん」（帆柱に多数の提灯を三角形に吊るし、先端に神様の依り代である御幣を立てたもの）を若者たちが勇壮に曳き回すもので、国の重要無形民俗文化財であり、ユネスコの無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つにも登録されています。産業面では、富山湾の豊かな海の幸に恵まれ、ベニズワイガニやバイ貝、ゲンゲといった魚介類が水揚げされる漁業や水産加工業が盛んです。また、リンゴ（特に「加積りんご」）、梨、ブドウなどの果樹栽培を中心とした農業も行われています。市内には電子部品や機械などの工場も立地しています。観光・レジャー施設としては、前述の魚津埋没林博物館や、蜃気楼展望地である海の駅蜃気楼、現存する日本最古級の水族館の一つである魚津水族館、遊園地のミラージュランド、そして地域の文化活動拠点である新川文化ホール（ミラージュホール）などがあります。魚津城跡は本丸公園として整備され、市民の憩いの場となっています。市内にはあいの風とやま鉄道と富山地方鉄道が通り、魚津駅が交通の中心です。このような蜃気楼と埋没林という二つの国の特別天然記念物を有し、勇壮な祭りと豊かな海の幸、そして歴史が息づく魚津市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には37,401人になると予測されています。