富山市

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富山市（とやまし）は、富山県のほぼ中央に位置し、北は「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟する富山湾に面し、東には雄大な立山連峰を望むことができる、面積約1241.77平方キロメートルと広大な市域を持つ県庁所在地であり、富山県の政治・経済・文化の中心都市です。市域は、豊かな漁場である富山湾岸から、神通川や常願寺川などが流れる広大な富山平野、そして緑豊かな呉羽丘陵や山間部に至るまで多様な地形を有しています。古くは越中国の国府が置かれたとされ、戦国時代には佐々成政の治世を経て、江戸時代には富山藩前田家の城下町として発展しました。特に、江戸時代から続く「富山の売薬」は全国的に有名で、その伝統は現在の医薬品産業へと受け継がれ、「くすりの富山」として医薬品製造業が地域経済の重要な柱となっています。1945年の富山大空襲で市街地の大部分を焼失しましたが、戦後目覚ましい復興を遂げ、2005年には旧富山市と周辺の7市町村（大沢野町、大山町、八尾町、婦中町、山田村、細入村）が合併し、現在の広大な市域となりました。富山市は近年、公共交通機関を軸とした持続可能な都市構造を目指す「コンパクトシティ政策」を推進し、路面電車（富山地方鉄道市内電車や富山港線ライトレール）の整備や沿線開発などが国内外から注目を集めています。産業面では、伝統的な医薬品産業に加え、機械工業や金属製品工業、そしてIT産業などが発展しています。また、広大な平野部ではコシヒカリを中心とした米作や野菜、果物の栽培が盛んで、富山湾からはブリやホタルイカ、シロエビといった新鮮な海の幸が水揚げされます。文化・観光施設も充実しており、富山城址公園（富山市郷土博物館）、富山県美術館、ガラスアートの魅力を発信する富山市ガラス美術館（複合施設TOYAMAキラリ内）、美しい景観で知られ「世界一美しいスターバックスコーヒー」があるとも評される富岩運河環水公園、富山県中央植物園、富山市ファミリーパークなどがあります。旧八尾町で毎年9月に行われる「おわら風の盆」は、哀愁漂う胡弓の音色と編笠姿の踊り手たちが織りなす幻想的な祭りで、多くの観光客を魅了します。このような豊かな自然と歴史・文化、そして先進的な都市づくりが融合した富山市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による2023年12月発表の推計によると、2025年には397,210人になると予測されています。