八代市

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八代市（やつしろし）は、熊本県中南部に位置し、西に八代海（不知火海）を望み、東に九州山地が連なり、球磨川が八代平野を形成して注ぐ、県下第二の人口規模を誇る田園工業都市です。古代から交通の要衝として栄え、中世を経て近世には細川氏の支城として八代城（松江城）が整備され、筆頭家老松井家が代々統治し、その城跡は国の史跡に指定されています。文化面では、ユネスコ無形文化遺産である「八代妙見祭の神幸行事」が毎年秋に、亀蛇（きだ）や豪華な笠鉾（かさぼこ）が練り歩き多くの観光客を魅了し、また約400年の歴史を持つ青磁や白磁、繊細な象嵌（ぞうがん）が美しい「高田焼（こうだやき）」の伝統が今に伝えられています。産業においては農業が盛んで、特にトマトは春秋作合わせて日本一の生産量を誇り、世界最大級の柑橘類で爽やかな香りと上品な甘さが特徴の特産「晩白柚（ばんぺいゆ）」や、かつて日本の住文化を支え現在も高品質で全国一位の生産量を維持する「い草」とその製品である畳表は八代を代表する農産品です。さらに八代港を中心とした沿岸部には、製紙業やセメント製造、造船業といった基幹産業から金属加工、食品加工に至るまで多様な大規模工場が集積する県内有数の工業地帯が形成されており、国際拠点港湾である八代港は九州中南部の物流ハブとして重要な役割を担うと同時に、近年では大型クルーズ船が頻繁に寄港する「くまモンポート八代」としても整備され国際的な玄関口としての機能も強化されています。観光資源としては、開湯600年以上の歴史を持ち与謝野鉄幹・晶子夫妻も訪れた風情ある温泉街「日奈久温泉郷（ひなぐおんせんきょう）」や、平家落人伝説が残り手付かずの自然と秋の紅葉が素晴らしい秘境「五家荘（ごかのしょう）」、そして松井家の優雅な旧茶屋で国の名勝「松浜軒（しょうひんけん）」などがあり、九州新幹線新八代駅の開業によりアクセスも向上しています。このように多様な歴史的背景、豊かな文化、力強い産業基盤、そして魅力的な観光資源が調和し発展を続ける八代市の2025年時点における国立社会保障・人口問題研究所による推計総人口は117,658人です。